低体重出生:原因と帰結

川口大司
野口晴子

December 2012

Abstract

この論文では厚生労働省『21 世紀出生児縦断調査』による新生児のパネルを分析して2500g未満で生まれる低体重出生がどのような社会経済的な背景より発生するかを分析し、さらに低体重出生がその後の児童の発達にどのような影響を与えているかを2歳半時点、6歳半時点の発達・行動指標を用いて分析した。低体重出生をもたらすのは 母親の喫煙、出産6か月前の母親の就業といった要因であることが明らかになった。特に出産6か月前の母親のフルタイム就業の影響は大きく、2500g未満の低体重出産とな る確率が 2.4%ポイント上昇することが明らかになった。これは低体重出産の発生確率が8.25%であることを考えると大きな影響だといえる。低体重出生の帰結についてであるが、2500g以下で生まれることは2歳半時点での発達を遅らせていることが明らかになった。その一方で6歳半時点での行動に対する影響は限定的な指標でみる限り統計的には認められなかった。

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