子供の成長パターン:
21世紀出生児縦断調査に基づく測定

北村行伸

January 2013

Abstract

本論文では、厚生労働省によって始められた21世紀出生児縦断調査を用いて、新生児の生育(身長・体重)を時間とともに追い、子供の成長のパターンが個人の初期条件(出生時の体重・身長など)、その後の条件(養育費)や個人差(男女、生年月)などによってどのように違ってくるかを分析した。パネルデータの特徴を生かして推定するとほとんどの場合、固定効果推定が選択されることがわかり、産まれた時の初期値の違いだけではなく、親からの遺伝情報や経済状態も影響を与えていることが推測された。また、初期条件の違いが、子供のその後の成長にどのような影響を与えているかを体重と身長の一日当たりの成長で見ると、初期値が小さい子供ほど成長率が高く、キャッチアップが行われていることが判った。

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