メガバンク合併が企業-銀行関係に及ぼす効果

植杉威一郎
内野泰助

March 2013

Abstract

非上場企業における企業と金融機関の取引関係に関するデータを用いて、2005年に実施され、日本での最大の銀行合併であった東京三菱銀行(BTM)とUFJ銀行(UFJ)との合併がもたらした効果を検証する。BTM、UFJの双方と取引していた企業、いずれかと取引していた企業、いずれとも取引していなかった企業にサンプルを区分し、銀行合併が、企業-銀行間関係を通じて借り手企業の資金アベイラビリティに及ぼす影響を分析する。以下が得られた結果である。(1)BTM、UFJ両方と取引関係にあった企業では、いずれとも取引していなかった企業に比して40bp借入金利上昇幅が大きくなった。(2)BTM、UFJのいずれかと取引関係にあった企業でも、いずれとも取引していなかった企業に比して20bp借入金利上昇幅が大きくなった。(3)合併銀行(BTM)と取引していた企業と被合併行(UFJ)と取引していた企業との間には借入金利上昇幅に有意な違いは見られなかった。銀行合併による取引銀行数の外生的な減少や、支店の統廃合を含めた合併銀行における組織変更が、金利上昇に影響していると考えられる。

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