Philippine 第一次産業GDP 推計のための統計資料批判 (1)

江藤 圭也

April 2009

Abstract

本稿ではフィリピンの第一次産業GDP 推計に向けて、各分野・各品目の基本的データ系列を得る資料を選定し、原資料へ加えられるべき修正とその方法を議論している。主に政府統計を対象とするこうした検討を通して、資料自体の信頼性や問題点を明らかにするとともに、第一次産業を構成する主要品目の生産量、価額、耕地面積といった主要データ系列が推計された。本稿(1)では、まず戦前期農作物を扱った統計資料が比較整理された後、その具体的な統計データについて、一人当りの国内消費量と単位面積当り生産量の観点から妥当性、整合性が確認された。その作業の結果として新たに得られた推計値に対しては、①生産量、生産額は先行研究と根本的な差異はなかったが、②異なる付加価値率を選択したこと、また③貿易統計、人口統計の補完的な利用により改善の余地が存在することが特徴として挙げられた。なお戦後期の農作物と、残る家畜、林業、水産業に対する統計資料の検討、及び主要データ系列の推計は続く次稿(2)で行われる。

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