金融政策の国際協調
—「新しい開放マクロ経済学からの展望」—

藤原一平

April 2013

Abstract

本稿では、国際マクロ経済学において、基本的な分析ツールとなっている「新しい開放マクロ経済学」モデルについて、これまでの代表的な研究のエッセンスを紹介するとともに、モデルの導出の詳細を示すこと目的としている。まず、メカニズムを簡略化した解析解の得られるモデルで、国際的なショックや政策の波及メカニズムの直観的理解を提供する。次に、標準的なモデルを解いたうえで、国際協調する中央銀行が目的とすべき損失関数を導出し、国際協調政策の目的を明らかにする。なお、モデルは、国際価格設定が、生産者通貨建価格設定(Producer Currency Pricing, PCP)、および、需要地価格設定(Local Currency Pricing, LCP)の両方のケースを考慮する。

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